乳房の構造と区分
乳房は乳腺と結合組織・脂肪組織から構成されています。そして、乳腺は母乳を作る小葉と母乳の通り道である乳管から構成されています。乳がんは乳腺から発生いたします。
乳房を簡易的に区分けをします。例えば、外側の頭側はC領域と呼びます。C領域は乳腺量が多く、乳がんが多く見つかる部位です。
乳房の構造
乳房の区分
乳がんの発生
乳がんが発生した場合に一番転移しやすい部位がリンパ節です。それも乳房近くのリンパ節です。図のように乳房の周囲にはいくつものリンパ節がありますが、その中でも腋窩(ワキ)のリンパ節へ転移する可能性が高いです。乳房の自己検診をされる場合には腋窩(ワキ)も触ってください。乳房に異常なく、腋窩(ワキ)にしこりが触れる場合があります。その場合にも受診してください。
乳癌の発生部位と名称
乳房の区分別乳癌発生率
乳腺所属リンパ節の区分
乳がんの進展
乳がんは大きさ・性格・性質などでいくつかに分類をします。なぜ分類をするかと言えば、治療に違いがでてくるからです。たとえば、抗がん剤を使う必要がある乳がんもあれば、手術のみで治療が終了する乳がんもあります。詳細については別項で解説させていただきます。
ここでは乳がんを大きく2つに分類する方法があるので、紹介したいと思います。
乳がんは乳管という母乳の通り道から発生いたします。その乳管の中だけで増殖している乳がんを非浸潤性乳がんと言います。逆に乳管の外にまで増殖している乳がんを浸潤性乳がんと言います。浸潤性乳がんになるとリンパ管・リンパ節への転移が起こる可能性が出てきたり、血管内にがん細胞が入ってしまうと肝臓・肺・骨などの遠隔転移が起こる可能性が出てきます