乳がんの約5~10%は遺伝性、すなわち乳がんの発症に関係する遺伝子変異を有していると考えられ、そのひとつが「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」です。HBOCの方はBRCA遺伝子に病的な変異があることが知られています。BRCA遺伝子の情報は性別に関係なく親から子へ半分の確率で受け継がれます。ご家族の方で乳がんにかかったことのある方や、実際ご自身が乳がんになった方から「私は遺伝性乳がんになる可能性がありますか、私は遺伝性乳がんですか」との質問を多く受けます。現在は約7mlの採血でBRCA遺伝子に病的な変異があるかどうか調べることが可能です。調べることによってのメリットもありますが、家族への影響がある可能性もあります。当院ではそれらについて臨床遺伝専門医である先生に直接相談、診察を受けることが可能となりました。臨床遺伝専門医ですので、乳がん以外である卵巣がんなどについても相談可能です。
遺伝専門外来およびBRCA 1/2遺伝子検査の保険診療と自費診療について
本人が乳がんと診断された方、もしくは乳がんの既往歴がある方
1. 45歳以下の発症
2. 60歳以下のトリプルネガティブ乳がん
3. 2個以上の原発乳がん発症
4. 第3度近親者内に乳がんまたは卵巣がん発症者がいる
5. 男性乳がん
これら1~5のいずれかの項目にあてはまる方は保険診療となります。
まずは遺伝専門外来を受診して頂き、遺伝性乳がんとは何か、BRCA 1/2遺伝子検査を受けることによるメリット・デメリットは何かを臨床遺伝専門医から文書により分かりやすく説明させていただきます。説明を聞いたうえで、BRCA 1/2遺伝子検査を受けるか、受けないかを決めてください。当日決める必要はなく、じっくり考えてください。
保険診療の場合の費用(自己負担金が30%の場合)
遺伝専門外来受診のみ:1,500円程度
BRCA 1/2検査を受けた場合、上記に追加62,000円程度かかります。
※あくまでも目安になります。
自費診療(上記保険診療の項目にあてはまらない方)
自費診療の場合の費用(税込み)
遺伝専門外来受診のみ 5,000円
BRCA 1/2検査を受けた場合、上記に追加110,000円かかります。
保険診療、自費診療に関わらず、遺伝専門外来は完全予約制となり、1時間1名までと制限し、丁寧に説明・相談させていただきます。
今後の遺伝専門外来の予定
現在、外来を中止しております。新型コロナ感染症が落ち着いたら再開させて頂きます。
医師紹介
履歴
- 平成7年
- 大阪教育大学教育学部附属高等学校天王寺校舎卒業
- 平成14年
- 広島大学医学部医学科卒業
- 平成14年
- 広島大学産婦人科学教室入局
- 平成16年
- 市立三次中央病院
- 平成21年
- 広島大学病院
- 平成24年
- 中電病院
現在
- 中電病院 産婦人科 非常勤医師
- 広島赤十字原爆病院 産婦人科 非常勤医師
資格
- 日本産科婦人科学会専門医
- 日本周産期新生児医学会会員
- 日本産科産婦人科内視鏡学会会員
- 日本人類遺伝学会会員 臨床遺伝専門医
- 日本遺伝性腫瘍学会会員